ハイチュウの包み紙

ハイチュウというお菓子があって、その包み紙は「包み紙」というだけあって紙で出来ている。
とても小さいが、紙という素材上「折り紙」が可能だ。
というわけで、電車の待ち時間の合間を見つけては、よく鶴を折っている。
数年の間で、何羽の鶴を折ったか知れない。


今まで、購入していたハイチュウの包み紙は、縦と横の尺度が違う長方形だった。
だが、ついこの前、正方形の包み紙のハイチュウが登場した。
「お、これから、ずっと、正方形になるのかな」と、とてもうれしく思った。


というのも、長方形のままでは、鶴は非常に折りにくいのである。
至極明瞭で、鶴は、対称をすり合わせを幾重にも重ねて折っていくので、
長方形のままで折っていくと、途中で破綻してしまうのである。
なので、まず折り始める前に、四角の対称の角をすり合わせて、
余った余分な個所に折り目を入れて、
強制的に正方形を作るという手間が必要だった。


端から、包み紙が当初から正方形になれば、この余計な作業を省くことができるので、
非常にありがたくなるのである。


今日、期待しつつ、ハイチュウを購入したが、
残念ながら、包み紙の形状は、今まで通りの長方形だった。
正方形だったのは、一時的であったのだろうか。
それとも、味の違うハイチュウ故であったのだろうか。


ハイチュウの包み紙の形状で一喜一憂している自分に滑稽さを感じながら、
今日も、僕は、数羽の鶴を折った。